肝臓は「沈黙の臓器」
・肝臓とは
肝臓は、成人で1200~1500gあり体重の約50分の1を占める体内で最大の臓器です。
また肝臓は体の中枢臓器で、代謝機能をはじめ多岐にわたる働きをしています。
・肝炎について
肝障害の原因はアルコール・薬剤などもありますが、最も注意すべきはウイルス性肝炎です。
慢性肝炎・肝硬変・肝癌の原因の7~8割以上がB型あるいはC型のウイルス性肝炎です。
・肝癌について
肝癌の9割はウイルス性肝炎が原因です。
特にC型肝炎は最大原因で、肝炎の増悪・肝硬変の進展にともない肝癌発生率が上昇します。
またB型肝炎では肝機能の安定した人でも肝癌発生の可能性があり注意が必要です。
・肝臓は沈黙の臓器
肝臓は「沈黙の臓器」と言われるように余力の大きな臓器であるため、肝炎ウイルスに感染しても10~20年以上にわたって症状の見られないことがあります。このため肝臓の異常に気が付いた時には、肝炎がかなり進行していることがあります。
肝癌、肝硬変への進行を予防するには、肝炎が進行しないように上手に肝臓と付き合い、GOT・GPT等の肝機能を安定化させることが重要です。
過去に輸血・手術・血液製剤の投与等の経験のある方、検診等で肝機能異常を指摘されたことのある方は、一度肝炎ウイルス検査をお勧めします。
当院は日本肝癌研究会が行う全国原発性肝癌追跡調査報告の協力施設です。